shinriki’s blog

神力の備忘録としてのブログです

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙

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ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 Letters of a businessman to his son.

著者:キングスレイ・ウォード

訳者名:城山三郎

出版社名 新潮社 (単行本ISBN:4-10-519401-1)

           (文庫本ISBN:4-10-242801-1)

発行年月 1987.1.15(文庫1994.4.25

大病を二度にわたり経験した父親が、自分と同じ実業を目指す息子に、

遺書代わりにと考え実際に宛てた30通の手紙が原稿となって出版された本。

私の家系にも昔から代々受け継がれている話がいくつもあります。

そんなことを思い起こしながら昔読んだことを思い出し再度読み直しています。

大学生となった息子へ文庫本を渡し、読むように進めると早速読み始めた

用です。

子育てに際しては、いろいろな父親を演じているときがありましたが、ようやく

息子たちも社会の入り口に関する本を読む時期が来たようです。

実社会に出発する君へ

 常識、責任が実業界での最良の武器

 努力をどのように成功に結びつけるか。

あえて挑戦を(第1通)

 名門私立大学に合格したが気おくれし、やっていけるだろうかと

 迷っている君へ

 校風や環境が人間を育てる。そして性格がそれを助けるから

 自身を持ってその環境に飛び込みなさい。

教育の設計(第2通)

 いつ、何を、どう勉強すれば、充実するのか、将来に備えて。

 制度に不満を言うよりも、制度を巧みに活用しよう!

 後悔する前に将来の計画を立てよう。

 (私も二十歳のときにロータス123でライフイベントと生涯収支の

  計画を作りました:後に大分修正しましたが)

 毎年1つずつ新しい学問をはじめ、広げよう。

 「読むことは人を豊かにし、話し合うことは人を機敏にし、書くことは人を確かにする」

 20代、30代は学ぶ期間として、最も重要です。

 学問を中断しての海外旅行する学生のほとんどは怠け者たちです。

成功について(第3通)

 父親にはかなわない?いずれ父親を振り回すようになるのに。

 競争に勝つのは、必ずしも動きの早い人ではない。

 勝つのは過去の競争から学んで、その教訓を生かす人。

 道徳心、熱意、勤勉さ、そして責任感は、毎日日常の中で保たなければならない。

惰性的な生き方には(第4通)

 「ミソサザイの翼で鷲のように飛ぶ」ことはできない。下降する成績に歯止めを。

 川の上で急速をとるときには、流れを避けて、注意深く場所を選ぶ。

実社会での最初の日々(第5通)

 いよいよ実業界に足を踏み入れたが、一抹の不安をかんじないではいられない君に

 サービスが肝心。

 しばらくは、足音を立てないように歩くこと。

 仕事に喜びを見出すためには、適正、やりすぎない、達成感。

 

誠実さの代価(第6通)

 ビジネスでもっとも重要なルールは君が真実を語らなかったと、決して人に言われないことだ。

 他人を信用しなければならないときには、多少の知識、いわつる安全装置が必要。

 ・知らないひとについては、その背景を知るべき。

 ・サービスを個人的なレベルで売り込む

 ・人生のこの段階では、すべての試みを経験とみなすべき。

 ・真実を語らなかったと、決して人に言われないようにする。

 

企業家とは何か(第7通)

 冒険心と自身。危険への備えはどうするのか

 企業家とは偉大な想像力の持ち主。

 人間性の偉大な観察者、研究者。

 

経験の重みに代えて(第8通)

 新たな販部長に就任した君。経験が基本条件の部署だが、しかし君にはそれがない。

 経験不足を自覚している人は、まず、このかけている要素によって、目的達成の試みを抑制、あるいは阻止されるつもりはない、と決意する必要がある。

 次に、与えられた課題を念入りに査定するための時間を惜しまない。

 80%の人が、データ不足というより、データの間違った解釈によって、意思決定の間違いを犯す。

 解釈には、勘であっさり片付けるより、入念に思慮深く分析する方が、早く、高度に熟達する。

部下との衝突(第9通)

 衝突で何を得、何を失ったか。会費の道はなかったか。

 私たちが他人について「型破りな」性格というときは、たいていの場合、異なる見方や考え方でしかない。

 他人の迷惑になるほど不愉快な、あるいは異常な癖でなければ会社を辞めさせる理由にはならない。

 部下の効率を取り戻すため、1時間でできることの大きさ。

 君の1時間と部下の1時間は50ドルに相当、新たな人材を訓練するには5000ドル必要。

 部下は貴重品。

共同事業への誘惑(第10通)

 一攫千金のうまい話にさめた目、さめた手段を

 儲け話になると、肯定的な面は30分で全てあげられるが、否定的な面は見落とし、しばしば長年悔やむ。

 新しい事業を思いつくと、実に巧みに製造・販売の問題を解決するが、資金の問題で頭が凍結する。

 人の記憶は薄れやすい。会社を発足させた君の資金面での貢献が、いつまでも深い感謝の念と共に思い出されることはない。

 共同経営者と全ての否定的な面について話し合うべき。

結婚を気軽に考えないで(第11通)

 結婚という投資による損失は大きい。よき妻の条件とは。

 もし魅力的で、気品があって、頭が良かったら、あとは多少の欠点は多めに見るように。

 

事業を拡大する上で重要なこと(第12通)

 事業を大幅に拡大するについて、二、三の大きな問題点を見落としていないか? 

 大規模な事業の拡大は常に、ほとんど最初からやり直すようなもの。

金銭感覚はどうなっているのか(第13通)

 工学の勘定書が会社に回されてくる。いささか不安を感じて一つ尋ねたい

 会社の繁栄ぶりを示すことは大切だが、贅沢に見えたり、金を浪費する愚か者に見えたりしてはいけない。

 正直で、地道な人たちが、純粋な友情を君に誤解されることを恐れて、控えめに距離を保っているのを見過ごすことのないように。

 金をせがまれて貸せば友人はなくす。

 もし友人の窮乏を知って援助が必要だと思ったら、自分から申し出る方がずっといい。

 どちらかといえば金持ちのほうがいい。

 金は上手に扱えば、人生の喜びは大きくなる。

 賢い人は金持ちになれるが、人は金持ちになると愚かになることが多い。

 金は使って楽しむべきもので、溜め込むものではない。

講演は自信を持って(第14通)

 母校の公演を受けたものの、大勢の前で話す場面を創造し愕然としている君へ

 息継ぎの技術。

 両手を書見代の両端にしっかり乗せると、緊張は取れる。

 決して聴衆を見下さない。

 講演がうまくいくには、努力と準備の量。

礼儀正しさにまさる攻撃はない(第15通)

 仕事仲間に誇りをもって紹介できる社員とは、どんな人物なのか?

 知識の次の武器はマナー。ただ、まわりの人々に対する心遣い。

 よくある無作法は人の話をさえぎること。

 話題がひとつ、「私」に限られている人も多い。

 三つの身体的習癖:握力が強い、眼を見ているか、姿勢がいいか。

 

銀行融資をとりつけるには(第16通)

 実業家は銀行の有難味をよく忘れる。君も目的に夢中で、銀行を過小評価していないか?

 会社の買収に夢中になって、銀行の重要性を過小評価したのではないか。

 銀行に好意的に検討してもらうには、提出書類を作成するときに、「連中が乗り気になることは決してない!」と覚悟してかかること。

 

政府の検査官について(第17通)

 恐れることはない。政府は私たちの事業を助けるためにあり、実際に助けてくれるはずだ。

 一般の通念に反して、政府は常識の通じるところである。

 正義は力なり、だが、戦わないものには勝利はない。

多角経営は会社を安定させるか(第18通)

 会社は一つの分野だけの経営の方が強いのではないかと、多角化の根拠を尋ねる君へ

 事業投資には、資金面の裏づけ、経営に必要な人材がいるか。

 多角経営の利点:最初の事業の失敗に備えて。ひとつの事業の成長には時間がかかり、仕事が足りない。

 ある種の事業で成功したからといって、他事業で成功するとは限らない。

 いつでも経費を切り詰めて、逃げる準備をしておくこと。

 会社を育てるときに、資金や人的資源に無理がかからないように。

 多角化は基礎業界からの逸脱ではない。

 会社を買うのでなく、その会社の経営法を知っている人材を買い入れる。

読書の価値(第19通)

 「一冊の本しか読まない人に気をつけよう」これ以上付け加える必要があるだろうか。

 他人の過ちから学べ。

 他人と異なることは成功の必要条件のひとつだが、それを試みる人は少ない。

効率的な管理とはなにか?(第20通)

 それは部下とのチームワークである。が、活用されることに少ない方法の一つでもある。

 問題を認めること、失敗を認めること。

 チームワークである。

 聞き手がとりわけ強い関心を示す問題について、意見を求められることほど、人に誇りを感じさせるものはない。

 

人生の幸福とは(第21通)

 「人生の『真』の幸福はどのようにして手に入れるのか?」と問いかける君に。

 君の心を育てるのは君だけ。

 人生の問題に挑戦する自由があることを知り、それを行使すれば、人生の幸福を勝ち取る勝算は大きい。

 人生の合言葉は決断。

 幸福は何かをすること。

 身の上話でなく、心の持ち方で決まる。

社員を解雇するとき(第22通)

 気の重い神経の疲れる任務だが、それもまた、経営を向上させる上での大切な仕事だ。

 決意にいたった理由と、他の人が長期的に恩恵を受ける理由を、言葉少なく、静かに説明する。

 

友情は手入れしよう(第23通)

 仕事で何人かの友人ができた。が、昔の友達に会う機会がないと悩む君に

 最も緊密で貴重な友情は常に育み、温める必要がある。

 自分に及ばない友人は持たない。

 親友は君の成功を、嫉妬心を交えないで喜べる人。

 友情には手入れが必要。

批判は効果的に(第24通)

 人はそれぞれ性格や性癖が違う。思慮深い批判を与える人は決してこの事実を忘れない。

 聞く価値のある批判は10%程度。

 秘訣は、すぐさま批判者を評価すること。

 批判はなるべく役に立つ、建設的なものにする。

 慎重に言葉を選べば、批判の有害な部分は押さえられる。

 毎日評価する方がいい。

 

自分の財布の管理も計画的に(第25通)

 「予期せぬ請求書」のために、個人的な借金を申し込んできた君に、一言いう。

 税引き前の給与はさっぱり忘れる。 必ず普通終身保険を選ぶ。

常に備えよ(第26通)

 最近の経営不振から、会社は将来まで耐え抜けるだけの準備があるかと動揺している君へ。

 固定費を見直して、何であれ、実行が可能な限り削減する。

 資金を調達できるように、無理な借り入れはしない。

ストレスと健康(第27通)

 君に最も適した、くつろいだ状態になるために。

 様々なリラックス方法:超越的な瞑想、バイオフィードバック、筋肉の弛緩、自己催眠など。

 

優れた指導者の条件(第28通)

 業界団体の会長に推されたが、35歳ではその地位は務まらないと思っている君に。

 優れた組織には、あらゆる部門に優れた人材を配置。

 有能なナンバーワンは視野が広い。

生活のバランスを保とう(第29通)

 社長に任命されて以来仕事に精勤する君に。仕事と同等に大切なものもあるのでは・・・。

 生活のバランスを保っている経営者を打ち負かすことは難しい。

 成功者は、たいていの問題について知的な会話ができ、友達を持ち、心身健康、あらゆる面で中庸。

あとは君に任せる(第30通)

 君は後継者になった。もう君の仕事に口を出すつもりはない。私の人生を楽しむだけだ。

shin〓〓〓